広野IGCC発電所の営業運転を開始致しました。
2021年11月19日
広野IGCCパワー合同会社
当社は、2021年11月19日から広野IGCC発電所(54万3千kW)の営業運転を開始いたしました。
広野IGCC発電所は、石炭ガス化複合発電(Integrated coal Gasification Combined Cycle)を採用した最新鋭の石炭火力発電所であり、世界最高となる48%(送電端効率[LHV:低位発熱量基準])の熱効率を実現しました。当社は地球温暖化対策に着実に取り組みつつ、福島復興のために日々安全を最優先に発電所の営業運転を行ってまいります。
広野IGCC発電所の特徴は以下のとおりです。
(1) 世界最大の高効率IGCC
IGCCでは固体の石炭を高温・高圧のガス化炉内で、気体の石炭ガスに変換します。このガスを燃焼させて、ガスタービンと蒸気タービンの2つのタービンを組み合わせた複合発電設備で発電を行います。発電所の出力はIGCCとしては世界最大となり、石炭火力の熱効率をこれまでよりも飛躍的に向上させました。
(2) 二酸化炭素排出量の低減
石炭ガス化複合発電をおこなう広野IGCC発電所は効率的に燃料の石炭を発電に利用しているため、高い熱効率を実現しました。これによって、最新鋭の従来型石炭火力発電と比較しても、二酸化炭素排出量を約15%低減しています。
(3) 発電に利用する石炭の種類拡大
従来型石炭火力発電では利用が難しかった品質の石炭でも、IGCCでは石炭をガス化炉でガスに変換するため発電に利用することが可能になりました。このため、石炭を安価に安定的に燃料として確保することができ、我が国のエネルギーセキュリティーの向上に寄与することにつながります。
(4) 環境に配慮した発電の実現
石炭をガス化した時点で薬剤を用いて硫黄酸化物(SOx)を除去し、脱硝装置で窒素酸化物(NOx)を除去するため従来型石炭火力発電と同等の環境値を実現しています。また、IGCCでは石炭灰はガス化炉内で溶融し、ガラス状のスラグ(鉱さい)になります。このスラグはセメントの原材料や路盤材として再利用します。
当社は、地元の皆さまをはじめ、国や福島県、広野町のご協力やご支援をいただきながら、福島復興に寄与できるよう地元広野に根ざした発電所として、日々安全に電気をお客さまにお届けしてまいります。